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2025/11/03 税金
不動産投資は、購入から運用、売却、さらには相続に至るまで、さまざまな場面で税金が発生します。これらを正しく理解しておくことで、余計な支出を抑え、手取りを最大化することができます。そのため、税金の仕組みを正しく理解し、適切な対策を講じることが大切です。今回は、不動産投資における税金を「取得時」「保有時」「譲渡時」の3つのタイミングに分けて解説し、それぞれの税金の種類、納付時期、課税対象、計算方法、そして節税のポイントを整理します。不動産投資を始めようと考えている方、既に不動産を保有しており、税金対策を見直したい方におすすめです。
不動産投資にかかる税金は、大きく3つのタイミングがあります。
不動産取得時 物件購入、契約、登記の際にかかる税金
不動産保有時 毎年かかる税金と、賃貸経営の所得にかかる税金
不動産譲渡時 不動産を売却した際にかかる税金
まずはこれらの全体像を把握しておきましょう。
不動産投資で発生する主な税金の全体像

※本記事は2025年10月時点の情報です。
不動産を購入する際に支払う税金には、印紙税、登録免許税、不動産取得税、消費税があります。これらは物件購入時に一度だけ発生する税金で、初期費用として計上されます。
特に登録免許税と不動産取得税には、主に自己居住用家屋に関する軽減措置が設けられており、一定の条件を満たすことで税負担を大幅に軽減することが可能です。一般的な投資用物件には原則適用されませんが、特定の条件を満たす場合や、土地の税額軽減などの特例は適用されることがあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
また、建物部分の購入対価、および仲介手数料には原則10%の消費税が課税されますが、土地の譲渡は非課税です。なお、建物が課税されるかどうかは売主が課税事業者か否か等により異なり、個人間の売買では原則非課税です。

※印紙税において、電子契約で締結した契約書は、原則、課税されません。ただし、紙の原本を作成して交付する場合や、写し・副本の取扱いによっては課税対象となる場合があるため確認すると良いでしょう。
※登録免許税の税率は、登記の種類によって異なります。主な税率は以下の通りです。代表例:所有権移転登記(売買): 固定資産税評価額の2.0% 抵当権設定登記(ローン): 債権金額の0.4% これらの税率には、自己居住用家屋の場合などに適用される軽減税率が別途設けられています。
不動産を所有している間は、毎年発生する税金があります。代表的なものが、固定資産税・都市計画税・所得税および住民税です。これらは毎年発生する税金で、不動産投資を行う上でのランニングコストです。特に所得税・住民税は、家賃収入から経費を差し引いた「不動産所得」に対して課税されます。

節税の鍵となるのが「減価償却費」です。建物などの資産価値は年数の経過とともに減少すると考えられ、その減少分を耐用年数に応じて毎年経費として計上できます。減価償却費は実際の支出を伴わないため、課税所得を圧縮する有効な手段です。経費として計上することで、課税対象となる不動産所得を圧縮、所得税・住民税の負担を軽減できます。なお、収入が経費を下回り赤字となった場合、その赤字を給与所得など他の所得と相殺する「損益通算」が可能です。ただし土地は減価償却の対象外です。
不動産保有時に経費として認められる支出には、固定資産税・都市計画税のほか、損害保険料・火災保険料、修繕費、管理委託費、借入金の利子(ただし元本は対象外)、税理士への報酬などがあります。これらはすべて「不動産所得を得るために直接必要な支出」として認められるもので、正確な記帳と領収書の保管が求められます。
不動産を売却すると、「譲渡所得税」と「印紙税」が発生します。譲渡所得税は、売却によって得た譲渡所得(売却益)に対して課税されます。譲渡所得は、売却価格から取得費および譲渡費用を差し引いて算出します。取得費が不明な場合は売却価格の5%とみなされるため、契約書や領収書の保管が重要です。

譲渡所得にかかる税金の税率は、売却した年の1月1日時点での所有期間で判定され、保有期間によって異なります。5年以下の短期譲渡では合計39.63%、5年超の長期譲渡では合計20.315%と、税率が半分程度に抑えられます。この差は非常に大きく、売却のタイミングを見極めることで、手取り額を大幅に増やすことが可能です。

このように、5年を超えて保有した資産を売却する「長期譲渡」の場合、税率は約20%と、「短期譲渡」(5年以下)の約40%と比べておおむね半分に引き下げられます。その結果、手取り額を大きく増やせる可能性があります。また、譲渡時には譲渡所得から控除できたり、課税を繰り延べたりできる特例制度もあるため、事前に税理士と相談しておくことをおすすめします。
不動産投資における税金は、それぞれのタイミングで適切な知識と準備が不可欠です。特に、保有時の減価償却費による節税と、譲渡時の税率優遇は、投資の成否を左右する重要な要素です。
税制は毎年見直されるため、常に最新情報を確認し、専門家のアドバイスを受けながら戦略的に運用しましょう。正しい税知識を身につけることが、不動産投資の成功と安定収益につながります。
【著者:ワイズアカデミー(株) 】
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